
当該年度はそうしたケースが一件あり、米国に入るビザの準備を進めている。
血縁関係のない養子縁組の件数はかつてのように多くはないが、日本に永住する予定の日本・外国国籍の夫婦の申込みが増えている。養子となる子どもは、外国籍、アジア人と日本人との混血(日本国籍)、身体障害を持つなど“特別のニ一ズ”を持つケースが多く、国内での養子縁組より国際養子縁組の方が子どもの将来にとって適当と判断されるものである。
当該年度にISSJが扱った国際養子縁組は血縁関係のある養子縁組、特にフィリピンの子どものケースが大半であった。フィリピンでは、1996年から新しい「国際養子縁組法」に則した手続きが実施され、1995年までの社会福祉開発省(DSWD)に代わり、新たに国際養子縁組委員会(ICAB)が中央当局として機能するようになった。ISSJは今まで同様ICABから直接認可された日本で唯一の養子縁組機関としてフィリピンの養子縁組ケースを多く手掛けているが、フィリピン国の新しい法律に従い、養子の年齢、養親の要件や必要書類も変わってきており、今まで以上に書類、費用が増え、時間がかかるのが懸念である。
タイの子どものケースは、タイ政府公共福祉局が中央当局となっており、日本が関わるタイのケースはISSJを通して行なうよう指導している。
ISSJで扱う養子縁組は、いずれも養子と養親の国籍が異なり、法的養子縁組は関係する国の養子縁組法(或いは家族法)に則して行わなければない。この為、ISSJでは常に各国の関係法律を研究する必要がある。
当該年度にISSJで開催したオリエンテーション参加者は44組88名であった。この他・米国・フィリピン人夫婦の親戚養子縁組(Relative-Adoption)と日本人夫婦の血縁関係のないケースの養子縁組(子どもが外国から入る)のオリエンテーションを行った。
一方、本年度子どもを養子に出したいという実母や児童相談所からの相談ケースは、血縁関係の無いケースで9ケースあった。そのうち、実際に養子縁組のため養親家庭に委託されたケースは9ケースで、委託予定のケースは3ケース、残りは実母が引きとったり、その準備をしているケース、そして連絡の無いケースである。
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